解糖系 prev Page next Page

炭水化物であるグルコースから酸素を使用せずにATPを産生する過程を解糖系と言います。
乳酸を産生するので、乳酸系 とも呼ばれます。

グルコース に2分子のATP、グリコーゲン に1分子のATPを投資し、グルコース6燐酸をへて、ピルビン酸に代謝されるときに、4分子の ATP を生成する。
ピルビン酸は酵素により乳酸に可逆的に変換される。
 糖がある限り、ATPを生産できるが、筋肉中の乳酸濃度があがると、水素イオン(H+ プロトン)が増え、運動が継続できなくなる。

解糖:ほとんど全ての生物に共通に存在する糖の代謝経路で,反応は細胞質で行われる。

  グルコース
    │
    │ ← ATP (先を見越しての投資)
    ↓
  グルコース 6-リン酸
    ↑
    ↓
  フルクトース 6-リン酸
    │
    │ ← ATP (先を見越しての投資 その2)
    ↓
  フルクトース 1,6-ビスリン酸 ─┐
    ↑            │
    ↓            │
  ジヒドロキシアセトンリン酸  │
    ↑            │
    ↓            │
  グリセルアルデヒド 3-リン酸 ←┘(グルコース1分子から2分子産生される)
    ↑
    ↓
  1,3-ビスホスホグリセリン酸  
    │
    │ → ATP (投資回収)
    ↓
  3-ホスホグリセリン酸
    ↑
    ↓
  2-ホスホグリセリン酸
    ↑
    ↓
  ホスホエノールピルビン酸
    │
    │ → ATP (投資回収)
    ↓
  エノールピルビン酸
    ↑
    ↓
  ピルビン酸 ←───────────→ 乳酸
    │    乳酸デヒトロゲナーゼ
    ↓
 ┏━━━━━━━┓
 ┃  酸化系  ┃
 ┗━━━━━━━┛


 (グリコーゲンが筋肉にある場合?)解糖系によるATP産生は酸化系によるATP産生よりも100倍ほど高速なので、運動負荷が上がり酸化系によるATP産生がATP需要に追いつかなくなると、解糖系により産生されたピルビン酸が処理できなくなり、乳酸濃度が高まる。その結果水素イオン濃度が高まり、運動の継続が困難になる((筋肉がピリピリした感覚になる))。

 解糖系の代謝速度は、上から3番目の フルクトース 6-リン酸 → フルクトース 1,6-ビスリン酸 の部分で最も強く調整される。この部分の反応を触媒するのは ホスホフルクトキナーゼ という酵素で、この酵素はアロステリック酵素で、反応はADPとAMPで促進され、ATPとクエン酸で阻害される((安部・吉岡 編:「物質としての脳」 111))。
 この酵素が触媒する反応はATPを必要とするのに、ATPで阻害されるというのは面白い。



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